光触媒について
光触媒ってなに?
一般的に光(紫外線)を浴びることにより、触媒作用が働き有害物質や臭い・汚れなどを水と炭素に分解し無害化する酸化分解性能と、空気中の水素を引き付け外壁やガラスなどに付着した汚れなどの下に水分を入り込ませ、汚れなどを洗い流しやすくする親水性能の2つの作用があります。
光触媒は現在、屋内ではシックハクス対策や、消臭、防カビ、防菌、室内空気浄化用の素材として、屋外では外壁・ガラスなどの防汚対策素材として広く使われ始めています。
この光による触媒反応を起こす優れた素材は、酸化チタンという鉱物ですが、酸化チタンは白色顔料として、白ペンキ・ファンデーション・口紅・チューインガム・ホワイトチョコレートなど、以前から私達の周りに広く使われています。また、酸化チタンは食品添加物として認可され、 人畜無害な最も優れた素材であるといえます。
光触媒の特徴1
有害化学物質の分解
酸化チタンに光(紫外線)があたると表面に活性酸素が発生して、接触する有害物質を分解します。
①酸化チタンに光(紫外線)があたる
②電子が励起し、励起電子(ー)と正孔(+)が生じる
③空気中の酸素(O2)と励起電子(ー)が反応して活性酸素
(O2-)が発生する【還元】
空気中の水分(OH-)と正孔(+)が反応して水酸ラジカル
(-OH)が発生する【酸化】
④発生した活性酸素や水酸ラジカルが有害化学物質を分解する
【酸化分解】
⑤分解したあとは水と二酸化炭素となり無害化して
空気中に放出する
光触媒の特徴2
親水作用
光触媒のもうひとつの特徴である親水作用。
外壁やガラスに付着した汚れの下に水が入り込み、その汚れを浮かして流します。
①酸化チタンに光(紫外線)があたる
②酸化チタンの酸素(O)と水(H2O)が反応
③水と非常になじみの良い親水基(-OH)で表面が覆われる
④水がベターと広がり膜になる(接触角の減少)
光触媒の歴史
日本の技術
光触媒は、太陽や蛍光灯などの光があたると働き始める触媒です。光触媒は、光があたると表面に強い酸化作用が発生し、有害化合物や細菌などを分解するという強い作用をもっています。
光触媒の基本的な原理は、1972年に日本の科学者により発見されました。水溶液中の陽極と陰極の電極に電気を流すと水が分解され、水素と酸素が発生します。
これを、一方の電極に酸化チタンを用いることにより、電気を流さなくても光(紫外線)をあてるだけで水が分解されることを発見したのです。つまり、酸化チタンには光触媒作用があるということを見つけたのです。
同様に、1992年に酸化チタンを薄くコーティングする技術が開発され、蛍光灯の微弱な紫外線でも効果的に有機物が分解されることがわかりました。また、1997年に酸化チタンの表面が紫外線に誘起されると非常に水に馴染みやすくなり、表面に落とした水滴が一面に薄く広がるという超親水性を見いだしました。
光触媒の効果
2つの特性だけで
【防汚】
外壁・窓ガラス・看板などの汚れも、雨水など自然の力で汚れを落とします。
セルフクリーニング効果により、長期間汚れをシャットアウト。
【耐紫外線】
光触媒を外壁に使用すると、太陽光からの紫外線を80パーセント以上吸収してしまうので、外壁や基材を紫外線から守りその寿命を伸ばします。
【再塗装延長】
光触媒を塗布すると、外壁の寿命が大幅に延びますので、数年後に発生する外壁塗り替えや、補修の費用の削減になりますので、費用対効果はバツグンです。
【景観の向上】
太陽光が当たり雨が降れば、外壁に汚れが付きにくくなるので、長期間にわたり新築時の美観を保ちます。マンションなどでは入居率の向上に貢献します。
【清掃費の削減】
普段手の届かない場所に光触媒を施工しておけば、高所作業清掃費や、ゴンドラ作業清掃費などが、大幅に削減できます。実際に関西国際空港では、外ガラスに光触媒を施工して、年間の高所作業清掃費が8分の1になりました。
【地球環境】
光触媒は汚れた外気も浄化します。世界中のビルで多く使われればその分、地球の空気がきれいになります。地球環境にもやさしいのです。
【防カビ】
光触媒の優れた親水性能・有機物酸化分解性能は、高い防汚効果・防カビ効果を発揮します。病原菌を分解するので、感染症の確率が下がります。
【除菌・抗菌】
光触媒の強力な酸化分解性能により、黄色ブドウ球菌(MRSA)・大腸菌などのウイルスまでも除菌します。また抗菌効果もあるため、病院・介護施設・飲食店などで大敵の原因菌対策にも有効です。
【抗VOC・ホルムアルデヒド】
シックハウスの原因であるVOC(揮発性有機化合物)やホルムアルデヒドなども、光触媒の有機物酸化分解性能により分解・無害化、室内環境を改善します。
【消臭・脱臭】
気になるタバコやペットの臭い、トイレ、病院や介護施設の薬品臭などニオイの原因物質までも、光触媒の酸化分解性能が消滅・無臭化します。
光触媒の用途
いろいろな分野で活躍
光触媒を利用することにより、大気浄化、水質浄化、汚染防止、脱臭、抗菌、院内感染防止、セルフクリーニング、曇り防止など幅広い用途に応用することが出来ます。